続 永遠の繰り返し 50

最終章

またしても繰り返し?

遂にマリウポリの製鉄所に立てこもっていたアゾフ大隊がロシア軍に降伏しました。約1000人の生き残り兵士たちは全員、ロシア占領地帯の収容所に連行され、今後は過酷な戦犯裁判が待っているそうです。あれほど果敢に戦ったのですから、我々の通常の感覚としては、勇敢さをほめたたえ、捕虜交換にしても良いと思いますが、悪魔みたいプーチンは、きっと自称独立共和国の連中に処置を任せて一件落着としたのでしょう。何せ、侵攻当初の訳の分からない理由は、虐待、虐待が続いているウクライナ領の親ロシア勢力の救済のためとし、虐待者はネオ・ナチのファシスト暴力団、アゾフ大隊だと、名指していただけに、親ロシア居住者たちの好きなような処刑をさせることが一番と考えたのでしょう。そのため、ロシア議会は、新たにファシスト集団処刑のための法律の審議にはいるとか。
戦線が膠着状態にあり、徐々に敗退しつつあるだけに、線路用地帯に偽の国民投票を準備して、これらのウクライナからの独立とロシア併合に持っていくことで一応の停戦を実現したいのでしょうが、NATOどころか欧米社会全体を味方につけて兵力を大幅に強化したウクライナ側が納得する訳は無く、戦闘は長期化するのではないかとの予想も出ています。
ロシア側の将来には危険信号がいくつも点滅しています。
一番は、軍によるクーデター。若い兵士たちに不満は充満しているようで、各地で上官への不服従事件が勃発しているとか。そしてプーチンの健康不安説。胃癌あ甲状腺癌に加え、血液癌やパーキンソン病の深刻化など、いくつもの説が飛び交っており、手術入院説も。そのプーチン入院の時がクーデターのチャンスでしょうか? そしてすでにジワジワと効果を表わしつつある経済制裁。報道機関統制の綻びから西側情報の浸透も徐々に活発化。また、新型兵器の圧倒的な差は否めず、すでにロシアは当初の侵略軍の3分の1を失ったとも云われています。従って、いくら占領地帯死守に専念しようと、いずれ将棋倒し現象は避けられなくなり、給与の一策でキーウに小型核兵器を打ち込むなどすれば、その数倍の西側の各孔壁は必至。どうころんでも敗退は目に見えています。

今までのロシアのやり方を見ていますと、まるでタイムスリップしたように第2次世界大戦直前のナチス・ドイツ、そして大日本帝国の動きに酷似しています。いちゃもんをつけての突然の隣国侵略。そしてプロパガンダによる国民の洗脳。国内の批判者の逮捕拷問。反対者の密殺。秘密裏の生物化学兵器の使用。侵略先での虐殺、略奪、無差別攻撃・・・・そして時代遅れの兵器、兵隊の面従腹背・・・・経済封鎖もそっくり。
人間、特に頑固な思想に染まり切った指導者の愚かな暴走は、いつの時代も周囲の人間を巻き込んで多くの人に大被害を与えることは、古今東西の歴史に、際限なく繰り返されています。一体、いつになったらリーダーたちはその愚かさに気が付きのでしょうか・
プーチンの傲慢さ、そして被害妄想が引き起こした今回の愚劣極まりない悪行は、一体いつになったら罰せられるのでしょうか?
世界中が平和を満喫できる日は、一体いつのなったら実現できるのでしょうか?
プーチンがこんな行動に出なければならなくなったのは、単にウクライナがファシスト政権であるなどという戯言にはなく、その裏にあるユダヤ(アメリカ)の世界支配の陰謀からロシアを守るためと云うのがプーチンの「妄想」であることは明らかです。
実際に、きれいごとのウクライナ支援の裏では、アメリカの軍事産業が大活況を呈しているとか。世界各地で頻出する紛争もすべてアメリカの軍事産業にとってはビジネスチャンスとか。従って、今回、例えロシアが降参しようと、それで世界の戦争事情は変わらず、必ず次の火種が用意されているとか。
そうであれば、将来にもまだまだ「歴史は繰り返す」種子は残されているのです。
悲しいけれど、これが人類の永遠に変わらぬ性なのでしょうか?

続 永遠の繰り返し 49

10、終わりの始まり

フィンランド

今日のyahoo newsに、「法王の安全保障激変。フィンランド、NATOと合同軍事演習」と云う記事が載っていました。「アロー22」と名付けられたこの演習には、3500人のフィンランド兵士が傘下。戦車や装甲車も150台加わったとのことです。ロシアの北の隣国、フィンランドは永年、ロシアとの戦争を繰り返しており、第2次世界大戦でも攻め込まれて国土の1割を失ったとか。もっとも果敢に応戦して撃退したことも有名です。ソ連邦時代は中立を維持。崩壊後も同様で、極力何事も無いようにしてきましたが、ウクライナの惨事依頼、国内世論はロシア敵視が高まり、遂にNATO加盟申請を近々に行う情勢となりました。これに対し、ロシアは「報復する」との声明を出し、領空侵犯や北極海での軍事演習を強化しているそうです。
フィンランドは人口550万人余の国ですが、北極近くの北国とはいえ、国土は平坦で湖沼も多く、自然豊かな工業国としても知られています。
この国の歴史は、1000年ほど前までは先史時代と云われ、牧畜をするフィン人(アジア系フン族の末裔?)が自由な生活をしていたそうですが、115年にスウェーデン王が「北方十字軍」の名の下に侵入しカトリックを広めたと云われています。
スウェーデン領のまま、1581年にはフィンランド公国が創られ、大スウェーデン王国傘下のくにでしたが、1809年にはロシア帝国傘下のフィンランド大公国に。ロシアの阿世下、独立運動も発生。粛清継ぐ粛清の中、第1次世界大戦末期の1917年に独立宣言が出せれて2年余りの内戦の末、1919年にフィンランド共和国が成立したと云われています。そのご、1939年から1940年にソ連との間に「冬戦争」が勃発。国土の10分の1を失いますが、ナチス・ドイツ側についてロシアと戦い続け、終戦直前に休戦することでソ連に併合されることなく、中立国として戦後も独立を保つことができたそうです。2019年には世界最年少(34歳)の首相、それも女性の首相が誕生し、つい一昨日、来日し、岸田首相と会談しました。話題は当然、ウクライナやNATOの件で協力関係を確認したそうです。フィンランドはロシアが大嫌いなことでも有名で、日露戦争に買った東郷平八郎海軍総司令官の名前をとったTOGO BEERも彼らの大好きなビールだそうです。
ロシアはフィンランドに対して「報復する」との声明を出しましたが、本当にすると下場合、戦費も兵器も、そして忠実な兵士も不足しているのに。戦線を拡大してますます崩壊の速度を高めるだけと思われますが、もう自暴自棄状態なのですね。

略奪農産物の輸出

同じyahoo newsに、ロシアの貨物船がウクライナから盗んだ農作物をエジプトで売ろうとして入港拒否にあったとの報道がありました。この船はレバノンでも拒否されており、ロシアの恥知らずの行為が、また世界に知られることになりました。

侵略ロシア軍の上官命令の拒否

同じく、大隊レベル」の将校たちが上官の命令に従わないケースが多発していると云う報道もありました。無理な命令に加え、兵站問題から、食料や兵器の支給が滞り、満足な状態で戦えないことが原因らしく、加えてウクライナや欧米からのSNS情報のせいで、戦い自身に疑問を持つ若い将校が増えているらしいのです。
このようなロシアにとってマイナスな報道の多発ばかりで、プーチンはますます追い詰められているようですが、そろそろ彼の癌手術入院の秘密情報漏洩があっても良いようなのに、戦勝記念日以降の動きはまったく伝わってきません。
ウクライナの反抗、フィンランドやスウェーデンのNATO加盟の動きなど、入院できる状態じゃないこともあるのかもしれませんが、生き残りのためには癌手術などどうでもいいと云う心境なのかもしれません。

続 永遠の繰り返し 48

10,終わりの始まり

藪蛇

「藪を突いたら蛇が出た」―余計なことをしたら危険に。の譬えですが、ロシアがウクライナを侵略したことから、ロシアの周りは反ロシア網で包囲されそうになってきました。すでにNATOに加盟しているバルト3国(エストニア、リトアニア、ラトビア、2004年)に加えて、北隣のフィンランドとバルト海の入り口を抑えるスウェーデンまで加盟申請予定で、ロシアの西側はベラルーシだけが味方。NATO加盟申請は他に旧ユーゴ・スラヴィアのボスニア・ヘルツエコビナ、ロシアの南のジョージアなどの申請しており、また、EU加盟希望も、モルドバとジョージアがしており、ロシアの西、北そして南はすべて敵対国に。何も無いのは東側だけになってしまいました。
まさに「藪蛇」状態。そもそもプーチンがウクライナに攻め入ったのは、ウクライナの東側のロシア人居住地がウクライナ政府に圧迫され、また「虐殺」被害があるから、それを守るためと云う勝手な大義名分があったのですが、ついでにウクライナの「ネオナチ」政権を打倒して新ロシア傀儡政権を樹立しようとした訳ですが、その愚かなやり方は、逆にますますロシアが追い詰められる結果になりつつあります。
焦ったプーチンは、今度はフィンランドを脅していますが、逆にここもますます防備を固めており、かつて第2次世界大戦でロシアの侵略を食い止めた自信もあって、応戦体制はできあがっているようです。神経過敏状態のプーチンは、極東地域でも軍事訓練をしてにほにゃアメリカを挑発していますが、第3次世界大戦になって四方八方から迫る敵を応戦しようとしても、ただでさえ、広い国土を守る兵士や兵器が不足しているのに、一体どうしようとするのでしょうか? 軍事戦略の基本は、一点集中突破で、西方発砲への遂次の戦力投入ほど愚かな作戦は無いと云います。ナチスドイツが破れ、日本もまた敗れたのは、まさにこの全面攻撃で、最初は威勢よく行ったものの、後が続くかなくなって撤退を繰り返し、やがて白旗。
今、欧米側が心配しているのは、プーチンの今後です。
停戦したくてもできない。しかも肝心の金も底をつき始めている。兵器もポンコツばかり。兵隊も戦意を喪失しているばかりか上官への反抗が増えているとなると、まさに追い詰められた状態。そうかと云って、最後の切り札(核攻撃)を出せば、そのしっぺ返しで、ロシア自体が消滅することは間違いありません。
大体、プーチンが胃癌や甲状腺癌で手術すると云う事や、その間の代理責任者名まで欧米側に洩れていること自体、プーチンの側近の誰かが密かに伝えていることであり、行動すべてが筒抜けだと云うことになります。
ロシアがウクライナへ侵略を開始して2か月半。当初の予想に反してロシアの電撃作戦での完全勝利は不可能どころか、逆に完全敗退の方向へ進んでいます。
電光石火の早業で目的達成を考えていたプーチンの読みは完全にはずれて、プーチンは泥沼に嵌り、二進も三進もいかない窮境に陥っていると思われます。
これは歴史通を自慢しながら、歴史の鉄則を軽んじたものが陥る典型的な事例で、それを見事にひっくり返して勝利と栄光を獲得した者は一人もいません。
古くはアレクサンダー大王やシーザーのガリア征服、あるいはチンギスカン一族のユーラシア大陸席巻、近世に入ってからは若いナポレオンの各地への猛攻と勝利、そしてナチス・ドイツや帝国日本のアジア席巻などがあげられますが、いずれも様々なその後の展開で、勝利は長続きしませんでした。なぜなら降伏させられた者にはいつかこの屈辱を跳ね返してやると云う強烈な意欲が小実からでしょう。
アレクサンダー大王は大帝国完成の直後に熱病で(あるいは暗殺で)亡くなり、帝国は4分5裂状態に。シーザーはガリア征服後、あのルビコン川を渡ってローマに進軍し、帝位に就く寸前暗殺され、チンギスカン一族もすぐに紛争と分裂に。そしてナポレオンもモスクワ侵攻と冬将軍の襲来で惨めな撤退。ナチス・ドイツもその轍を踏んで壊滅し、日本も戦線を広げ過ぎて各地で敗退・・・と、いずれも月日の長短は異なりますが一方的な侵略が繁栄や栄光をもたらすことはありませんでした。
そう云えば、豊臣秀吉の朝鮮征伐も同じです。一方的に攻め込んで一時はうまく行きそうだったのですが、中国の介入で膠着状態となり、やがて秀吉の急逝で、ご破算に。おごり高ぶった軍事行動は必ず破綻するものなのです。
いくら技術が進歩しようが人間の考えや行動には自ずと限界があり、また、同じパターンのものになるようです。古今東西、実に様々な人々が様々な行動をして人類は進歩の歴史を歩んできたように思えますが、不思議と政治の世界はいつまで経っても変わらず、野心が剥き出しになって自滅する例があちこちに見えます。
特に、独裁者にはその事例が顕著で、人生最後まで独裁者のままで、その子孫が後を継ぐ例は僅少。最近の不思議な事例は北朝鮮の「金王朝」ぐらいではないでしょうか。これも金正恩がその息子へ継承できるかは恐らく不可能でしょう。
プーチンは、あるいはロシア帝国を再興してその皇帝に就きたい野心があるのかもしれませんが、核爆弾で欧米列強を国ごと吹き飛ばさない限りはこれも不可能でしょう。
以前にも書きましたが、一度滅びたものを甦らすことは不可能なように、一度滅びた政治体制を復活させたケースも歴史上皆無に近いのです。特殊な例は、中国の漢王朝で、日本では前漢と後漢と云っている王朝で、皇帝一族の末裔が滅びた王朝を復興させたと云われていますが、政治体制はかなり異なっており、必ずしも「復興」と云えるかどうかは識者によって異なります。

続 永遠の繰り返し 47

10、終わりの始まり

これからのプーチンの動き

プーチンの演説については欧米各国からいろいろな論評がありますが、やはり、皆、なぜ天気がそれほど悪くなかったのにイリューシンや長距離ジェット機が飛行しなかったのかについて疑問に感じているようです。飛ぶ予定だったが故障で取り止めになったと云う説が一番説得力がありそうです。また、「戦争宣言」も余計に欧米側を刺激して緊張をさらに高めるから、とか、勝利どころか撤退を余儀なくされているのに嘘をついてもやがてバレてしまうから触れなかったのだと云う説など、いろいろの憶測が飛び交っています。
今日のグノシーの記事では、「プーチン、戦争を終了できずにいる・・・自分で作った沼に墜ちた」と云う見出しがありましたが、そこには、「プーチンはどん底に陥って」いるが、どうやって抜け出したらよいか分かっていない」とあり、さらに戦勝記念日に大規模な動員令を下さなかった軍事的利益がなく、国内世論を悪化させかねないという判断を下したと、ワシントン・ポストのコラムニスト、マックス・プート氏は分析したそうです。同氏はさらに「プーチンが狂っていないことを暗示している」と書いています。
なにしろ、自分の極秘の癌と甲状腺癌の手術までわかってしまうのですから、すべては筒抜け。一体誰がそうした㊙情報を欧米側に漏らしているのでしょうか?
歴史上には数々の、一見忠実無比な側近が、実はとんでもない裏切り者だった例がありますが、FSBの中にも、そう云う人物がいるのかもしれません。
だとすれば、プーチンもまた「裸の王様」。
デンマークの童話作家、アンデルセンが1837年に発表した童話で、詐欺師の洋服屋に騙された王様が透明の服を着て意気揚々と大通りを端玉のまま行進すると、国民たちは「素晴らしい服だ」と歓呼してほめそやす。1人の少年が「何も着てないよ!」と叫ぶと、皆、一瞬ざわめき、やがて「何も着ていらっしゃらない!」と叫び出すのですが、王様は気にせず、そのままパレードは続いたという話です。
なるほど、プーチンの家族関係や病気、隠し財産から女性関係まですべてバラされており、逃げ隠れしそうな場所まで想定されていれば、まさに裸の王様であることは間違いありません。
彼を待ち受けるのは敗戦、逆襲、失脚、暗殺、惨死などで、彼が夢想したロシア帝国再興と皇帝就任は儚く砕け、悪罵ばかりが後世に伝わることは必定。
なぜなら、勝利するには核使用しかなく、使用すればそれ以上のしっぺ返し、つまり技術的にも数量的にも勝る欧米側の逆襲でロシアそのものが無くなってしまう結末が待っているからです。万が一、一時的に勝利し、欧米側が降参するにせよ、ロシア支配の世界は長く続かず、反撃の芽まで摘むことはできないでしょうから、徐々に反攻があって、結果、ロシア世界帝国も滅亡することは必至。後世の歴史に悪しざまに書かれることは明らかです。

また、yahoo newsは、「ロシア経済、その絶望的な未来予測―同国の著名経済学者「次の冬までに死に至る」と云う記事を掲載。これ編集長がノーベル平和賞を受賞したロシアの独立系④新聞「ノーバヤ・ガゼータ」のインタビュー記事で、ロシアの著名な経済学者、ウラジスラフ・イノゼムツェフ氏の言で、欧米の経済制裁でロシア企業の収益は悪化、またインフレのさらなる向上で、2022年暮れごろにはロシア経済は死に至ると予測しています。具体的には、インフレ率は年30%に近づき、為替相場は1ドル=200ルーブルとさらなるルーブル安が進み。失業率は現在の2倍、貧困層は1.5倍になるとの絶望的な未来予測をしているそうです。これに近い予測は欧米側の多くの経済専門家も述べており、軍事費の逼迫も近いという予測からも、早ければ6月、遅くても12月にはロシアの実質的崩壊が起こるかの性があります。
国内の経済学者からもこのように言われるとは・・・。

続 永遠の繰り返し 46

10,終わりの始まり

なんとも中途半端な演説

昨日の、ロシアの対独戦勝記念日にプーチンが行った演説は、なんとも中途半端な内容でした。ひょっとして全面的な戦争宣言が飛び出すのではと、固唾を飲んで聴いていたのですが、今まで通りのウクライナ侵攻理由の正当化で、ウクライナの名前さえ出ませんでした。また、天候不順で、「終末の日」の大統領専用機や長距離飛行の核搭載可能樹の飛行も取り止めになり、なんともさえない内容になりました。
もう嘘をつき続けることができなくなったのでしょうか?
追い詰められて欧米諸国への宣戦布告や核攻撃など言い出せば、逆にコテンパにやっつけられるとようやく悟ったからかもしれません。ましてこれから癌手術で入院しなければならない時に、欧米諸国を激怒させるようなスピーチを行えば、それこそ入院も手術もできなくなると思ったからでしょうか。
あるいは、すでに兵器も軍事費も底を尽き始めていて、そろそろ停戦に持っていかなければ大変なことになると気づいたのかもしれません。
ウクライナでの戦争状況を見てみれば、明らかに劣勢に転じつつあることは明瞭で、ウクライナ第2の都市、ハリコフへの攻撃を止め、東側にかかる橋を3つも壊して撤退したとか。これはウクライナ軍の追撃を阻止するためだったのでしょう。
どうも、遺された手は、現在占領中の東部2「共和国」の死守と、そこの完全ロシア化のようです。パレード冒頭の演説で戦争宣言と国家総動員令、つまりさらなる徴兵をするのではないかと思われましたが、もし出せば、国内の閉じ込められた不満が一挙に噴き出して大変なことになると側近たちに止められたからかもしれません。

戦争も一種に経済活動で、当然費消したものを取り戻さなければなりません。
たとえ負けなくても使い過ぎればどうしようもなくなります。つまり、戦線の背後には参謀本部を支える兵站(食料や武器備品の準備と配達機能)がしっかりしていなければ、たとえ飼っていても最後に負けてしまいます。
ロシア軍はどうもこの兵站機能がおかしくなっているようで、そうなれば、前線の兵士は「現地調達」つまり略奪を始めて規律正しい軍隊は強盗殺人集団に変貌してしまうのは古今東西の常識。ロシア軍はどうもこの末期的状況に陥りつつあるようです。
それでは、ロシア軍はあとどのくらい「倒産」しないのでしょうか?
木村太郎氏の予測では6月。いや、もっと持つと云う評論家も、果たして来年まで持つかどうか不安視しています。
金づるである石油や天然ガスも顧客がどんどん減っており、最後の頼みの綱は中国しかありませんが、国も下手な応援をすればロシアと同じに経済制裁を受けると考え、慎重姿勢をくずしていません。
不気味なのは、アメリカやイギリスなど欧米諸国の反応です。いくらプーチンが「核の脅威」を主張しても何の反応もしません。「ほう、やるの? やるならやってみな」と、応じる構えなのです。「核を持っているのはお前だけじゃないよ。こちら側もたくさんあるよ。それに・・・」と応じるどころか、さらなる新兵器があることを匂わせているのです。これはポーカー・ゲームなどの「ブラフ」と同じで、相手の持っているカードがわからないから疑心暗鬼となって下りるかそのままエスカレートするかになります。
私の予想では、長年の米ソ冷戦時代から、アメリカもかなりの極秘兵器を持っているはずで、迎撃ミサイルは当然のこととして、宇宙衛星の常時の観察と分析で、ロシアの秘密基地の様子はほとんど筒抜け状態となっていると思われます。そうであれば、発射した途端にそれは察知、様々な装置でどこで迎撃すれば一番被害が少ないかも計算して途中で撃ち落とすことができると思われます。
あの「終末の日」に大統領が乗るとされる航空機も、どこか古臭く、一体どこが安全なのかわかりません。かえって敵にみつかりやすく、見つかればまず確実に撃ち落とされるでしょう。

いずれにせよ、1991年の崩壊以来、ようやく世界に伍せるようになるまでのロシアのどん底状態は10数年続き、その間の軍事開発はかなり遅れているはずです。それを取り戻すべき再び厖大な軍事予算をつぎ込めるようになってまだわずか10数年。
一方欧米側はそのまま年ごとに軍事開発を進めている訳ですから、そこにはかなりの格差があると思われます。それは、例えばジャベリンと云われるイギリスの携帯用ミサイルのように、供与されたウクライナが活用して多くのロシア軍の戦車や装甲車を破壊した実例があげられ、一方のロシア軍は敵を確実に見つけて攻撃できる精密装置の不足から、あらぬ方向へ飛んで学校や病院などを破壊する野蛮さが、ますますロシアへの世界の批判につながっているのかもしれません。
つまり遅れた平気の使用が予想以上にロシア軍のイメージを悪くしているでしょう。
古くなった兵器で無謀な戦いを挑む愚かさは、過去の歴史にも無数在り、その代表的な例が先述したノモンハンの日本軍の戦車にありました。また、せっかく空母を世界に先駆けて作ったのに、それを軽視し、相変わらずの大型戦艦づくりに熱中した日本海軍もまた、少し遅れたものの、空母がこれからの海戦の主役になると気が付いたアメリカの空母増産体制が、結局、戦艦大和をはじめとする多くの日本緒戦艦の撃沈を生み、敗戦につながったことも忘れtなりません。ロシアは日本やドイツの愚を繰り返そうとしているのです。

続 永遠の繰り返し 45

10,終わりの始まり

対独戦勝記念日

いよいよ5月9日になりました。東京とモスクワの時差は5時間。現地時間午後5時からと云いますから、日本では夜の10時から、モスクワの赤の広場で軍事パレードが華々しく繰り広げられると思います。プーチンの演説も開会スピーチなので、何を云うのか、世界が注目しています。ただ、ウクライナ侵攻の精華が芳しくないこtもあって、嘘の戦勝報告はできないのではないでしょうか。事実上の戦争状態ということから、戦車や軍人行進などの規模は縮小して、欧米に対する「見せつけ」は「終末の飛行機」イリューシンと給油しないまま1万キロ飛べる核搭載ジェット機の編隊飛行のデモンストレーションだと云われています。
Wikipediaによれば、1945年5月9日のロシアへのドイツ無条件降伏文書の署名に先立ち、5月8日に英米仏への降伏文書署名がすでにされており、2回の署名があったそうで、欧米では5月8日が対独戦勝記念日だとか。
スターリンが水増しして自国被害を大袈裟にしたのかもしれませんが、この戦争でのロシアの死者数は2000万人になるとかで、大きな被害があったにもかかわらず最後に勝利し、いち早くベルリンを陥落させてヒトラーやゲッペルスを自殺に追い込んだのはロシアだと自慢できる絶好のチャンスで、実際に法廷の休日になったのは1965年。さらに派手な軍事パレードが行われるようになったのはソ連崩壊後の1995年からだそうです。

プーチン胃癌手術?

最近、欧米メディアが報道していることは、プーチンが上述の対独戦記念日パレード終了後、大統領職を一時的に部下に代行させて、胃癌手術、ありは甲状腺癌手術で入院するのではないかと云うことです。
病状は例のパーキンソン病と共にかなり悪化しているらしく、昨日のミスター・サンディでも木村太郎氏が引退するかもしれないと述べていました。
後任は、側近のニコライ・パトルシェフ(70歳)と云う人物で、安全保障会議の書記だそうです。元FSBの長官、それもプーチンに次ぐ2代目長官で、プーチンと同じKGBの同僚だったとか。ロシア有数のタカ派で、プーチンの代理人としてはピッタリだとか。
一方、現ロシア首相(No.2)のミハイル・ミシュスティンは税務官僚で軍隊経験が無いので忌避されたとか。かつての代理大統領のメドベージェフはあまり評価されていないのでしょう。また、プーチンの思想的影響者と云われるウラジミール・ミジンスキー(51歳)も、ウクライナとの停戦協議のロシア側のトップだそうですが、欧米では博士論文の盗作次枠とか、極端な主張とかで人心を掌握できないらしく、この人物も忌避されたようです。

ウクライナの大攻勢?

欧米など西側の報道では、欧米側が供与した新兵器の習熟訓練も終わり、いよいよウクライナ側が南部と東保、そして北部で一斉に反撃に転じるのではないかと云われています。狙いは対独戦勝記念日の軍事パレードを邪魔することで、ロシア側の気勢を削ごうと云う狙いがある物と思われます。
一方、ロシア側は占領地ですでにロシア貨幣の強制やロシア語教科書の強要など、ロシア化を推し進めており、完全なロシア領土化を計っていることも、ここで占領地を取り戻さなければと云うウクライナ側の戦意に火をつけたようです。
多くの戦車の破壊炎上、軍用船舶へのドローン爆撃被害など、ウクライナ側の移動型ミサイル攻撃威力も増しているようで、ロシア側兵士の戦意喪失度合いも拡大しているとの報道もあります。

続 永遠の繰り返し 44

10、終わりの始まり

マリウポリ

昨日、マリウポリの製鉄所は陥落したと書きましたが、まだなようです・良いニュースは、閉じ込めれていた避難民が全員脱出できたとのことですが、まだアゾフ大隊は抗戦を続けているようです。あすの対独戦勝記念日を前に、ひょっとしてここへ小型核ミサイルを撃ち込むのではないかと危惧されています。
各社のニュース報道では、ロシア軍が難民を検査して親ロシアか反ロシアか選別し、また男性には拷問も行っているとのこと。しかも強制的にシベリアや千島列島などの遠隔の僻地に送り込むことも報告されていました。
強制的なこのようなことをする理由は、この地域を敢然尉ロシア領とするための措置であり、ウクライナ人を根こそぎ移住させて、そこへロシア人を入植させるためであるのは明らかです。かつてのサハリン(旧名樺太)や千島列島でも、日本人居住者たちを虐殺したり、財産を奪って追放し、後はロシア人一色にしたわけであり、旧態依然のやり方には啞然とさせられます。
また、明日の対独戦勝記念日には、核攻撃の際に、大統領が載る特別攻撃機まで登場するとか。さらに給油なしで何万キロも飛行できる各攻撃機も同時に飛行することが事前のリハーサルで明らかになり、いざとなったらこれらを使うぞと云うロシアのあからさまな恐喝メッセージが伝わってきました。
加えて、プーチンが癌の手術で、記念日終了後、入院し、腹心が業務を代行することも伝えられています。
もしそうなら、少なくても1週間程度は核攻撃の恐れは無いとも予想でき、プーチン不在中のウクライナ側の巻き返しも予想できます。
昨日の報道では、黒海で、またロシアの戦艦がウクライナ側のミサイル攻撃で被害を受けたとか。ウクライナ側のミサイル能力は、欧米各国からの兵器給与と訓練で日毎に上達しており、ロシア側の無差別ミサイル攻撃への迎撃態勢も整いつつあるように感じられます。

プーチン協力の財閥当主がまた一人自殺したとか。恐らく、前の数人同様、事実は反対したので暗殺されたのでしょう。また、すでに400万人近くがビザのいらない旧ソ連傘下だった「親ロ」独立国のカザフスタンなどに亡命したとの報道もあります。
ますます追い詰められた感のあるプーチンですが、例え側近に代行を頼むとしても、手術中にクーデターが起こる可能性も期待できるので、この数日間はロシアから目を離せません、
ヒトラーユダヤ人説を語った、あの老いぼれラブロフ外相のさらなる失言は、ロシア隣国、ラトビアの首相もユダヤ系だと云ったことだそうで、これについいぇもプーチン
はラトビアに電話して謝罪したそうです。
これはあるいは仕組まれたお芝居で、彼の妄説、ネオ・ナチ=ユダヤ陰謀説を余計に印象付けようとする作戦なのかもしれません。つまり、今や成果中にユダヤ人ネットワークがあり、世界支配が進んでいるのを唯一止めようとしているのがロシアであるとの一種の十字軍意識です。かつてヨーロッパの多くの国は、ますます強大化しつつあるイスラム勢力に対し、エルサレムへの巡礼者が迫害されているからと、十字軍を組織し、何度も中東に攻め込みました。平和に暮らしていたイスラム諸国は大した抵抗もできないままに後退。十字軍側は今のレバノンやシリアにいくつかの十字軍王国を建設して100年ほどとどまりましたが、やがて十字軍熱も冷め、順次滅ぼされて十字軍計画は立ち消えましたが、その成果として多くのイスラム側の進んだ技術、文化が輸入されて、結果、暗黒だったヨーロッパに文明の花が咲き誇るようになった訳です。その有名な例はルネッサンスで、それまでの稚拙な絵画がダヴィンチやミケランジェロなどの優れた画家、彫刻家の誕生となり、科学も発達するようになったのです。
核兵器などは所有していても、思想的には著しく遅れているのでないかと思えるロシア首脳陣の頭でユダヤ世界支配や西欧のネオ・ナチ、ファシズム統治などと時代遅れな妄想を信じ込む姿勢は、まさに中世暗黒時代のヨーロッパ世界そのものに思われ、それが間違っていることをわからせるには、今回のような時代錯誤的な軍事行動とその破綻が起こらなければわからないのかもしれません。 かつてのイスラムとヨーロッパみたいに、開かれ、文明が進んだ欧米と、先生と情報統制と云う、閉じた暗黒社会のロシアの衝突もまた、「歴史は繰り返す」一例なのかもしれません。

続 永遠の繰り返し 43

10、終わりの始まり

モサド

モサドとは、イスラエル諜報特務庁のことですが、wikipediaによれば、活動の根拠となる法律がイスラエルには存在しないので、法的には存在しない組織と云えるそうです。情報収集、秘密工作(軍事的な行動及び暗殺を含む)及び対テロリズム活動、逃亡している元ナチス・ドイツ戦犯やテロリストの捜索などを行い、その焦点は、主にアラブ国家などの敵対国に向けられ、組織の拠点は世界のいたるところに存在すると云われています。ということは、もちろん、ロシアにもモサドの諜報員は居ると云うころで、あらゆる諜報技術、暗殺技術に長けたスパイ網が完備していることから、暗殺を恐れるプ^ヒントしては、イスラエルを敵に回したくなかったのかもしれません。
もちろん、ロシアにもFSB(元KGB)などの同様の組織があり、野党や元スパイなどの毒殺や暗殺を各地で実行しているので、よけいに同様の組織の存在と敵視を恐れているのでしょう。いずれにせよ、わざわざイスラエルの首相に電話して「謝罪」するなど異例のことであり、プーチンが欧米諸国よりさらに世界を支配すると云われるユダヤ人の秘密組織を恐れている証左のような気がします。
このようなことから、プーチンは核の脅しをするにせよ、目的は世界を相手に戦うつもりは毛頭なく、ウクライナをNATOとの緩衝国にすれば当面の目的は果たせるので、とりあえずはウクライナの東部と南部の占領で矛を収めるのではないかと思います。
しかいs、これではウクライナ側が納得するはずはなく、緊張状態、さらには小規模な武力衝突はしばらく続くのではないでしょうか?

ノモンハン

久しぶりに司馬遼太郎の著作をいくつか読んでいたら、晩年に書かれた「ロシアについて」と「東と西」という図櫃集に、ノモンハン事件のことが書かれていました。
1939年に起きた日本とロシアの武力衝突で、日本陸軍が完膚なきまでに敗れた地域衝突でした。満州を占領した日本画、今度は領界を巡り、モンゴル/ソ連と対立して起きたもので、当然、当時の日本陸軍は極秘事項として発表しませんでしたが、海外からの情報でやがて国民にも知られるようになりましたが、肝心の劣悪な戦車のレベルについては伝わることなく、その後の終戦まで、日本陸軍はその戦車を使い続けたそうです。日露戦争当時に作られた戦車がそのまま40年近くも何の改造もされずに作られていたらしく、致命的なロシア戦車との違いは鉄板の暑さだったとか。日本軍が撃つ砲弾はロシア戦車に当たってポタリ。つまり貫通できずロシア戦車は無傷。一方日本軍の戦車は簡単に貫通して破壊。全然勝負にならなかったようです。司馬遼太郎の表現では、無能な指揮官たちがうろたえる傍で、兵士たちは、砲弾が駄目なら火炎瓶だと、手作りのそれを果敢にロシア戦車に近づいて投げ、それで焼壊されたケースも多かったとも云います。
なぜこのようなことを、ここで述べたかと云えば、旧態依然の戦車を使い続けた側が、新兵器に遭って敗退する格好の先例があったからです。
ノモンハン事件以降、第2次世界大戦で、ナチス・ドイツとの交戦でも活躍したロシア戦車がほとんど改良されずに今もウクライナ侵攻で使われており、それが次々にウクライナ軍に破壊されて残骸をさらす光景は、まったくノモンハンの日本軍の姿そっくりで、ここにも「歴史は繰り返す」の格好の事例があります。
しかも、失敗した側が再び同じような間違いを犯すのではなく、敵側に「伝染」するという歴史の鉄則がそこにはあります。
地上戦には強くても、空からの攻撃には弱く、ウクライナ軍が欧米職から供与された軽量の持ち運び型ミサイルの攻撃で戦車は破壊されたのですが、これに懲りたロシアは、戦車や装甲車での戦闘より被害が少ないと、ロシア領土内からの長距離ミサイルでウクライナ各地に爆弾を打ち込んでいるようです。
マリウポリの製鉄所はようやくのこと陥落でき、恐らくは大勢の残された避難民も犠牲になったと思われますが、よくぞ3か月もの間、ここにロシア軍を引き付けて善戦したものだと、アゾフ大隊の人々に賛辞を捧げ、冥福を祈りたい気持ちになります。
周囲を包囲されても降伏することなく、最後まで雄々しく戦った姿は、かつての「アラモ砦」や、「硫黄島の日本軍」さながらで、絶望的な状態の中で諦めることなく、全滅した姿には心が打たれます。

続 永遠の繰り返し 42

10、終わりの始まり

ユダヤ人問題

ユダヤ人への敵意や排斥運動は、ヨーロッパの宿痾とも云うべき問題で、1000年近くもの長きに亙って行われてきました。理由は単純で、キリストを迫害して死刑にしたから。キリストも同じユダヤ人だったことなど全然、気にせずに憎悪したのが始まりで、次は生活習慣の違い。3番目は金貸しが多かったこと。お金が無い時は、有難がって借りても、やがて返す時になると高利も加わって返せなくなり、担保やなけなしの金を毟り取られると、恩人はいつの間にか悪人に早変わり。どうしたら返さずに済むかと今度は悪だくみを考えて追い出す・・・こんなひどいことが1000年近くも続いていたのです。そして一緒に住みたくないと、ユダヤ人だけで閉じ込められた塀の中に住まわせる、いわゆる「ゲットー問題」などがヨーロッパの至ると所で繰り広げられたのです。
でも、やはり「金は力なり」で、一部の裕福なユダヤ人は、各国の王侯に金を貸しつけて徐々に権力の中枢に近づき、やがて有名なロスチャイルド一族のように、各国の財政にまで影響を与えるようになりました。ロスチャイルド(発祥の地、ドイツではロ―トシルト)は5人の息子を、独仏英墺伊に住まわせて、各国の財政に関与。各国間の紛争や戦争の時は巧みに情報を交換して勝利側に投資、やがて莫大な財産を築くようになりました。それはまるで各国の支配者を陰で操る黒幕のような印象を持たれ、一般市民にますますユダヤ憎悪の気持ちを募らせるようになったのです。そのような空気を敏感に感じ取ったのがヒトラーで、ドイツが負けた者、莫大な賠償金負担でインフレで苦しむようにったのも、すべてユダヤの陰謀とばかりに迫害の輪をせばめ、遂には死の収容所送りを始めてユダヤ人の根絶を計るようになったのです。
これにいち早く共鳴したのがスターリンで、ドイツ同様の迫害を開始、多くのユダヤ人をシベリアの収容所に送って餓死、凍死させたと云われています。
キリスト教「独裁」状態のヨーロッパでは、頑なにユダヤ教を信奉して、キリスト教への改宗を拒むユダヤ人がまるで悪魔の手先のように思えたらしく、嫌悪の感情は、シェークスピアの「ベニスの商人」の金貸し、シャイロックや、ドストエフスキー、トルストイの著作にも反ユダヤ主義が垣間見えます。
そもそもユダヤ人がなぜ故郷を追われて世界を放浪しなければならなくなったかは、その独特、強固な宗教心にあったとされ、ローマ帝国や中東の強国などがたびたび追放令をだし、また、他国に住むアラブ人を移住させてきた長い歴史にあります。
そしてその世界的な排斥運動は第2次世界大戦が終わるまで続きましたが、ナチス・ドイツのあまりにもひどい虐殺行為、アウシュビッツなどの強制収容所の実態が明らかになるにつれ、ユダヤ人への同情や理解が深まり、イスラエル建国や優秀なユダヤ人の保護育成、各分野での活躍の機会などが広く与えられるようになりました。
特にそれが顕著だったのはアメリカです。戦前まではユダヤ人と云うだけで嫌悪され公職にもつけなかったのですが、戦後は一転。あらゆる分野で活躍するようになりました。最も有名なのはアインシュタインで、映画監督のスティーブン・スピルバーグ、DELLやGUGLE、FACEBOOKなどIT企業の創業者たち、ガーシュインやハマーシュタインなどの作曲家などもユダヤ系の有名人です。
アメリカ在住のユダヤ人は約650万人とのこと。アメリカの総人口に占める割合はわずかですが、核ブウやで活躍する人材は恐らく他民族を大きく引き離しているのではないでしょうか。ただ、過去の経験からか、こと政界にあってはこれと云った人材はおらず、これは意図的にそうしているのではないかと思われます。
しかし、ユダヤ人ネットワークに最初に深く関わったとされるのがクリントンで、トランプも娘婿がユダヤ人、しかの娘夫婦揃ってユダヤ教徒と、深い関係にあるのは事実です。イギリスやフランスも政財界の裏にはユダヤとのつながりが強いことがわかっており、これがプーチンなどロシアの国粋主義者から見れば、欧米社会=民主主義社会=ユダヤ人が操る「ユダヤ人独裁社会」と映るのかもしれません。
彼らにしてみれば、ヒトラーはユダヤ支配社会を作るために送り込まれた操り人形で、実際にはユダヤ人の強制収容所などなく、何百万人ものユダヤ人虐殺などなかったと信じ込んでいるようです。だから、ゼレンスキーも同じようにユダヤの裏社会から送り込まれた操り人形となるのでしょう。つまり、ネオ・ナチのファシスト集団=ユダヤ闇組織と妄想するのでしょう。だからいざとなったらそのユダヤ闇組織撲滅のため、核爆弾を欧米主要国に打ち込む! なんて脅しをちらつかせるのではないでしょうか?
そう云えば・・・レーニンもトロツキーもユダヤ人だそうで、それを敢然と排除したのがジョージア(旧グルジア)出身のスターリンだったとか。
プーチンはレーニンなどは全然尊敬していませんが、なぜかスターリンやKGB創設者のユーリー・アントロポフ(別称「ブダペストの虐殺者」―ハンガリー動乱鎮圧)には特別の尊敬心があるらしく、ことに後者はその銅像をサックとペテルブルグや出身地に建立しているのだそうです。
ユダヤ撲滅とウクライナ人のロシア人化(ユダヤ系ウクライナ人の排除、ウクライナ全体のロシア領化)が今のプーチンの最大の「欲望」なのです。
本音をポロリと出してしまったラブロフはきっとこっぴどくプーチンに叱責され、プーチンは慌ててイスラエルの首相に陳謝したそうですが、イスラエルを怒らせることが欧米諸国を怒らせるより恐いと思ったからでしょう。もともとがKGBの人間だっただけに、イスラエルの同じ秘密諜報組織モサドの恐ろしさをわかっているからでしょう。

続 永遠の繰り返し 41

10,終わりの始まり

ロシアの反ユダヤ主義

ラブロフ外相の発言には、ロシア人の持つユダヤ人への歴史的に長い不信・憎悪があります。Wikipediaなどで調べてみると、600年以上前のロシア創世記から、宗教的対立があり、ユダヤ教徒が処刑される事件がありました。『スハリヤ・ユダヤ教団事件』と云うもので、ユダヤ教ではキリストも単なる預言者の一人としてことがロシア正教者たちの激高に触れて激しく弾圧されたのです。それから、ユダヤ人たちはたびたび入獄禁止や国外追放に遭い、キリスト教への改宗の強要や、商売禁止、ユダヤ人だけの特別徴兵制など、迫害(ホグロム)はずっと続き、多くのユダヤ人が国外に逃れ、19世紀には100万人以上がアメリカに亡命したそうです。
その原因になったのは偽書「シオン賢者の議定書」と呼ばれる物が国内に出回ったことで、これは、ユダヤの世界支配の陰謀を暴露した本として、ロシアのみならず、ヨーロッパ全体のユダヤ人迫害の元になった「偽書」(反ユダヤ主義者の捏造)でした。
このユダヤ陰謀説にはさらに尾鰭がつき、実はレーニンやトロツキーもユダヤ人で、世界支配の一環としてロシアの共産革命を起こしたとまで喧伝され、レーニンの急死は民族主義者スターリンに毒殺説まで飛び出し、当時、ソ連の一員だったウクライナでも6万人ものユダヤ人が虐殺されたそうです。スターリン亡き後、後を継いだフルシチョフも、ブレジネフも反ユダヤ主義者で、国内のユダヤ人を差別、圧迫し続け、多くのユダヤ人が国外に亡命しました。
ヒトラーのユダヤ人説はナチス・ドイツの成立頃から英米などで囁かれ始めてましたが、実際にそのオーストリアでの家系を戦後調査した結果、祖父までがそうで、父の代でその痕跡を隠すため改姓したことがわかったといわれています。反ユダヤ主義者たちの推定では、これも世界制覇を企むユダヤ至上主義者たちの陰謀のひとつだそうで、実際にはアメリカにユダヤ人支配国家を作るための仕掛けのひとつだったそうです。事実、戦前まではユダヤ人はアメリカでも博愛され、差別されていましたが、戦後は政財界共にユダヤ系人物が台頭、特に情報産業分野ではほぼ独占状態で、ロシアに云わせると、西欧国家はそのほとんどがユダヤ系の支配する社会だとか。
このように、ロシアは歴史的にユダヤ人迫害社会で、それが今回のとんでもない戦争を始めるきっかけになったのかもしれません。
なぜなら、ゼレンスキー大統領はユダヤ系ウクライナ人、同じように、閣僚の多くも同じだそうです。つまり、アメリカをはじめとする欧米国家の多くは、実はユダヤ系人物たちの支配する社会で、それがウクライナまでに及び、神聖なる最後の砦、ロシアに迫ろうとしていると云うのが、国粋主義者プーチンとその取り巻きの恐怖する本音といえるのではないでしょうか。
ラブロフ外相が、いまさらのように「ゼレンスキーはユダヤ系ウクライナ人で、ヒトラーもユダヤ人」などと云いだした理由の背景は、このように、ロシア人の数百年に及ぶユダヤ人コンプレックスがあってのことでしょう。さらに、世界の金融機関も多くもユダヤ系で占められていることも忘れてはなりません。
古くから国を失い、ヨーロッパ各地を放浪したユダヤ人は、宝石や貨幣など身に着けられる僅かな財産を持って移動していた訳ですが、それらを原資に金貸し業を始め、利子をちゃんと摂ったところいつの間にか、金貸しとして成功し、やがて銀行を始めて、さらに巨大化、ロスチャイルドなど、数か国にまたがる金融ネットワークを築き上げ、各国の蔭の金主となって秘密情報を連絡し合ってさらなる収益をあげていることは、世間に周知の事実であり、恐らくは、ロシアの金融機関の多くも同じようにユダヤ系が経営していることと思われます。そのようユダヤ支配が、やがてロシアも飲み込むこともプーチンの暴挙の理由のひとつだったのではないでしょうか?
しかし、世界に張り巡らされた巧妙なネットワークを打ち破ることがプーチンにできるのでしょうか? 今までどっちつかずの態度だったイスラエルを敵に回した以上、予想外の事態が起こるかもしれません。
世界のユダヤ系組織。恐るべし!