最終章
またしても繰り返し?
遂にマリウポリの製鉄所に立てこもっていたアゾフ大隊がロシア軍に降伏しました。約1000人の生き残り兵士たちは全員、ロシア占領地帯の収容所に連行され、今後は過酷な戦犯裁判が待っているそうです。あれほど果敢に戦ったのですから、我々の通常の感覚としては、勇敢さをほめたたえ、捕虜交換にしても良いと思いますが、悪魔みたいプーチンは、きっと自称独立共和国の連中に処置を任せて一件落着としたのでしょう。何せ、侵攻当初の訳の分からない理由は、虐待、虐待が続いているウクライナ領の親ロシア勢力の救済のためとし、虐待者はネオ・ナチのファシスト暴力団、アゾフ大隊だと、名指していただけに、親ロシア居住者たちの好きなような処刑をさせることが一番と考えたのでしょう。そのため、ロシア議会は、新たにファシスト集団処刑のための法律の審議にはいるとか。
戦線が膠着状態にあり、徐々に敗退しつつあるだけに、線路用地帯に偽の国民投票を準備して、これらのウクライナからの独立とロシア併合に持っていくことで一応の停戦を実現したいのでしょうが、NATOどころか欧米社会全体を味方につけて兵力を大幅に強化したウクライナ側が納得する訳は無く、戦闘は長期化するのではないかとの予想も出ています。
ロシア側の将来には危険信号がいくつも点滅しています。
一番は、軍によるクーデター。若い兵士たちに不満は充満しているようで、各地で上官への不服従事件が勃発しているとか。そしてプーチンの健康不安説。胃癌あ甲状腺癌に加え、血液癌やパーキンソン病の深刻化など、いくつもの説が飛び交っており、手術入院説も。そのプーチン入院の時がクーデターのチャンスでしょうか? そしてすでにジワジワと効果を表わしつつある経済制裁。報道機関統制の綻びから西側情報の浸透も徐々に活発化。また、新型兵器の圧倒的な差は否めず、すでにロシアは当初の侵略軍の3分の1を失ったとも云われています。従って、いくら占領地帯死守に専念しようと、いずれ将棋倒し現象は避けられなくなり、給与の一策でキーウに小型核兵器を打ち込むなどすれば、その数倍の西側の各孔壁は必至。どうころんでも敗退は目に見えています。
今までのロシアのやり方を見ていますと、まるでタイムスリップしたように第2次世界大戦直前のナチス・ドイツ、そして大日本帝国の動きに酷似しています。いちゃもんをつけての突然の隣国侵略。そしてプロパガンダによる国民の洗脳。国内の批判者の逮捕拷問。反対者の密殺。秘密裏の生物化学兵器の使用。侵略先での虐殺、略奪、無差別攻撃・・・・そして時代遅れの兵器、兵隊の面従腹背・・・・経済封鎖もそっくり。
人間、特に頑固な思想に染まり切った指導者の愚かな暴走は、いつの時代も周囲の人間を巻き込んで多くの人に大被害を与えることは、古今東西の歴史に、際限なく繰り返されています。一体、いつになったらリーダーたちはその愚かさに気が付きのでしょうか・
プーチンの傲慢さ、そして被害妄想が引き起こした今回の愚劣極まりない悪行は、一体いつになったら罰せられるのでしょうか?
世界中が平和を満喫できる日は、一体いつのなったら実現できるのでしょうか?
プーチンがこんな行動に出なければならなくなったのは、単にウクライナがファシスト政権であるなどという戯言にはなく、その裏にあるユダヤ(アメリカ)の世界支配の陰謀からロシアを守るためと云うのがプーチンの「妄想」であることは明らかです。
実際に、きれいごとのウクライナ支援の裏では、アメリカの軍事産業が大活況を呈しているとか。世界各地で頻出する紛争もすべてアメリカの軍事産業にとってはビジネスチャンスとか。従って、今回、例えロシアが降参しようと、それで世界の戦争事情は変わらず、必ず次の火種が用意されているとか。
そうであれば、将来にもまだまだ「歴史は繰り返す」種子は残されているのです。
悲しいけれど、これが人類の永遠に変わらぬ性なのでしょうか?
完